- 渥美 憲(ただし)
昔を思い出します・・・
更新日:2月9日

先日のご葬儀は、お客様のご希望に応じてコロナ禍ということもあり近親者のみで執り行われました。
参列者の少ないお葬式は、もう珍しくなくなりました。
お客様のご要望には、もう一つ大切なことがりました。
故人様が大切に育てていたワンちゃんがおりまして、どうしても式に参加させたいとのことでした。
式場になかなか動物を連れていくことは、盲導犬以外は認められていないのが現状です。
お寺さんの貸式場で行われたご葬儀でしたが、菩提寺であったこともありお寺さんのご住職に了解を得て、ワンちゃんの参加も許されたのです。
ワンちゃんは、式の最中は静かに過ごして欲しかったのですが・・・・やはり、鳴き声が止みません。想定内の出来ごとでしたが、お経の最中の鳴き声はご家族も気にしているようでした。このワンちゃんは、私の姿を見るとわん、わんと吠えてしまいます。
近寄っても、わん、わん・・・。しかし、面白いことに私が腕で抱きかかえると静かになります。あきらめたように、静かに抱きかかえられたままで抵抗もなくじっとしています。
メスのワンちゃん、8キロ以上あり長時間のだっこは少々運動不足の私の腕には辛かったです。
鳴かないでね・・静かにね・・・ねんねこね・・なんて、そっと話しかけながら抱いていましたら、ふと、昔子供を寝かしつけるころを思い出しました。
抱きながら、体を優しく揺らしながら寝かしつけたこと・・いつの間にか子供より自分のほうが眠くなってしまったこと・・・。
ワンちゃんの重さがちょうど似ていたのかもしれません。
お客様のわがままには、できるだけ答えてあげたい。出来ませんというよりも、できるようにしてあげたい。いつも、そんな風に考えています。
だって、一生に一度の出来事なんですから・・・。