• 渥美 憲(ただし)

お客様との出会いは宝です・・01

これまでに、葬儀を通じて沢山の方々とお話をしてきました。

渥美家本店を設立して約20年が経過しようとしています。

独立前は、某葬儀社で約6年の勤務を致しました。

もう人生の約半分が、葬儀に携わることになっていたとは・・。


葬儀業界では主に、ひとつの御葬家様を打合せから葬儀の現場の責任を担う者を

[担当]と呼びます。[担当]になるには、そこまでにたっぷりの下積の時期を過ごさなければなりません。

[担当]のサブにつき、汗をかいて厳しく指導され学ぶのです。マニュアルなんて簡易的な要素のものはあっても、それ以外は現場で自らの経験で学んでいくのです。


立ち降り舞い、言葉使い、間の取り方、物の存在、道具の扱い方、道具の名前、宗旨、宗旨の特徴、葬儀の進め方、幕張、画びょうの打ち方、ストレッチャーの扱い方、祭壇の飾り方、病院での対応、ナースとのやり取り、などなど様々です。いま改めてこうして考えみると、項目に分けようとするときりがないことに気付かされます。

これらの学びの項目は、先輩方の行動から盗み取らなければなりません。

上手な先輩もいれば、そうでない方もおります。

そこで、様々な先輩からその人の良いところや上手いところや、賢いなと思えるところを見極めて自分自身に吸収するのです。

そして、確かな自分を作り上げてゆくのです。

今でもまだ不完全な自分であり、満足もいかず学びの真っただ中です。


私が思う良い[担当]になるためとは、[担当]になるまでの時期が長ければ長いほど有利です。つまり、サブの時期がチャンスなんです。

真夏の外現場では、ワイシャツがびしょびしょなりながらテントを張りました。テーブルを運びクロスを貼り付け、椅子を設置します。トラックから祭壇を運び室内に飾ります。

お通夜の準備です。夕方になりようやく飾り付けが出来上がり、これからいよいよ本番です。

親族、親戚の方々が集まります。受付の係りの方が集まり、会葬者が訪れます。お寺さんがお越しになり。お焼香の案内が始まります。いよいよ通夜が執り行われるのです。


昔こんなことがありました。

ご自宅でのご葬儀の時、庭を利用して会葬者のお焼香の案内をしていました。

真夏で汗が止まりません、しかし気にしてもいられずに一生懸命に丁寧に会葬者の案内をしておりました。

「どうぞこちらから、お焼香をお願いします。」などと話しかけます。

大概の方は、案内を聞いてそのまま進みお焼香をされます。

しかし、ある初老の女性は立ち止まりバックから白いハンカチを出しました。

悲しみのあまり涙をぬぐうのかと見ておりましたら、私の額をしばらく眺めてこう言いました。

「あんた、すごい汗ね~見たことないわ、これ使いなさい」と言ってハンカチを私の手に握らせてくださったのです。何とも恥ずかしい失態。会葬者に反対に気を使わせてしまいました。私は案内の仕事に没頭していたために、足らぬところが出てしまいました。反省。反省。

だけど、本当はあの白いハンカチ・・とてもうれしかったんです。

ありがとうございました。


(続きはまた・・です)